夢と希望を持ち人々の心と身体の健康を願い企業活動を通じて社会に貢献します。
株式会社クローバーは、経営理念「夢と希望を持ち人々の心と身体の健康を願い企業活動を通じて社会に貢献します。」のもと、関係各位の協力によって、医療にかかわる事業を展開する基盤が整ってきました。これらの事業によって得られた利益は、会社設立の理念に沿った事業をさらに発展させるために役立てたいと考えています。
私がやってきたこと、また現在やっていることを紹介させていただきます。京都大学に在籍中は「造血とT細胞分化」を専門としてきました。T細胞の前駆細胞を明らかにする過程で、造血のプロセスに関して従来の常識を塗りかえる成果を得ることができました(これは「ミエロイド基本形モデル」として知られている)。このモデルを一言で言えば、赤血球、食細胞、T細胞、B細胞などすべての血液系の系列は、ミエロイド系列からつくられるということです。この仕事を引き継いだ河本宏京大教授(京大再生医科学研究所)が中心となって進めた研究によってさらに進展しました。現在では国内外の血液学の教科書が私たちの説に沿って書き換えられつつあります。
一連の研究の中で、造血とT細胞分化のいろいろの段階で細胞分化を停止させ、また必要な時に分化させることが可能な細胞培養システムを樹立することに成功しています。そのうちの1つの技術で作製したiLS細胞(induced leukocyte stem cell)については、クローバーと理研とで特許出願中です。この細胞を用いることで、細胞分化の遺伝子コントロールに関する研究は飛躍的に進むはずで、その成果は造血やT細胞分化に限らず、あらゆる細胞の分化増殖において意義のあるものとなると考えられます。この研究は、理化学研究所の伊川友活ユニットリーダーが行っています。
がん治療に免疫をより有効に利用する方法の開発を目指しています。その一つは、モノクローナル抗体(mAb)を利用するがん治療の研究です。mAbの作成は、2011年より日本医化器械株式会社と共同で行っており、 すでにいくつかのmAbができています。しかし、作成されたmAbの検定には高度の技術と最新の機器が必要です。将来的にはより大きな組織との共同研究が不可欠と考えます。
二つ目は、T細胞を利用するがん治療の支援活動です。2013年初頭に、河本氏のグループと金子新氏(京大iPS細胞研究所)のグループは、iPS法を利用して抗原特異的T細胞を無限に増殖させることに成功しました。これはがん治療にも応用できる可能性を秘めた画期的な方法であり、世界中が注目しています。このシステムをうまく利用すれば、多くの人が免疫を利用するがん治療を受けられるようになる可能性があります。これを実現すべく、河本、金子両氏を中心に、主に京大医学部の多くの先生たちが協力して研究を進めることになりました。この研究をサポートするために、AsTlym(アストリム)株式会社(HP: http://www.astlym.co.jp/)を設立することになりました。私が代表取締役に就き、研究から事業に至る一連の仕事で重要な役割を担うことになりました。今後はクローバーもより密接にかかわることになると思います。
今後ともクローバーの活動に、ご理解ご支援のほど、よろしくお願いします。